小学生のお子さんが不登校になって、家にいる時間が長くなってくると、「子供が家でどのように過ごせばいいのかなあ」と、悩んでいませんか?

僕も、我が家の息子が、1年生の間、学校に行けたり行けなかったりを繰り返し、平日に家で過ごす時間が長くなってくると、同じ事で悩みました。(今でも時々、行き渋りがあるのですが(^^;)
ですが、安心してください。家での過ごし方のポイントがわかると、親子ともに「これから」の不安がなくなり、前向きで充実した時間を過ごせるようになります。
この記事では、我が家の経験も元にして、不登校の小学生の、家での過ごし方をご紹介させていただきます。
この記事を読んで、家での過ごし方を参考にしていただき、あなたとお子さんの心が少しでも軽くなればと思います。
不登校は悪いことではない!


まず、わかっていただきたい事は、不登校は「悪いこと」ではないということ。
文部科学省が定める
『小学校学習指導要領(平成 29 年告示)解説 総則編』の第4節には、このような内容が記されています。
不登校は、取り巻く環境によっては、どの児童にも起こり得ることとして捉える必要がある。また、不登校とは、多様な要因・背景により、結果として不登校状態になっているということであり、その行為を「問題行動」と判断してはならない。
引用:『小学校学習指導要領(平成 29 年告示)解説 総則編』
とされています。
そうなのです、決して、子供に「不登校」であることに、罪悪感を持たせないであげてほしいのです。
子供は、様々な要因があって、学校に行きたくない、という気持ちになっているのです。
そして、その「学校に行きたくない」という心のサインを見逃さずに、ちゃんと行動に起こせているのです。
まずは、学校に行きたくないと、ちゃんと言えた事、行動に起こせた事を、ほめてあげてください。
そして、親が、子供のそのサインを受け入れて(不登校を容認するという事だけではなく、子供が「学校に行きたくない」という気持ちになった事を、です)、
それから、その子供にあった対応を一緒に考える、というふうにして欲しいのです。
不登校により、家で過ごすと決めたなら、まずすること


「ゆっくり休んでいいよ。」と伝えて、親も心から、そう思う。
お子さんに、まずは、「学校を休んでいいよ」と、伝えましょう。
不登校の子供は、「学校に行きたくない、でも、行った方がいいのでは・・・。」と悩んでいます。
「行きたい、行った方がいい」、と思ってても、どうしても行けないのです。
それを家族が理解してくれて、「ゆっくり休んでもいいよ」と伝えることで、子供は気持ちが楽になり、安心して休むことができます。
子供が、学校を休むことに対して、前向きでいるか、罪悪感を持ってしまうか、それによって、家で過ごしている間、子供が本当の意味で休めているかが変わります。
不登校の小学生の家での過ごし方の5つのポイント
具体的な家での過ごし方のポイントをご紹介したいと思います。
不登校になってからの段階的にポイントを書いていますので、順番を意識していただければと思います。
①心とからだが元気になるまで、「何もしない、という事をする」


クマのプーさんを観ていると、
クリストファー・ロビンが100エーカーの森を去る前に、プーにこう言います。
そうなのです。クリストファー・ロビンは、人生の中の「何もしない」という時間の大切さを知っていたのです。
どのように、家で過ごそうか、と考える前に、まず、何も考えないで、何もしない、という事をしてください。
不登校の子供が学校に行きたくなくなる原因として、「心と体が疲弊している。」事がとても大きいです。
具体的に何か原因がある時は、親子で話し合ったり、学校と相談しながら、解決策を考えていけます。
ですが、そうではなく、今まで頑張ってきて蓄積した疲労で、子供は今、学校に行けないのかもしれません。



僕は、息子が一年生のとき、授業の進むスピードや、宿題の量を見て、びっくりしました。
「今の子供は、こんなに頑張っているのか」と。
そして、僕の子供の頃と違い、今は、ランドセル以外に水筒やタブレット、マスクや健康観察表など、とても多くの荷物があり、「低学年がこんな重い荷物を持って、毎日学校まで歩いて行くのか」と驚いています。
子供は蓄積した疲労によって、心と体が疲弊してしまい、それによって、何もしたくない状態になっているのです。
そんな時はまず、心とからだが元気になるまで、「何もしない、という事をしてください」
②好きなことだけをやらせてあげる


僕も、小学生の低学年の時、心に元気が足りず、学校に行けない時がありました。
そんな時、親は何も言わずに、休むだけ休ませてくれたのですが、僕が子供の頃は娯楽と呼べるものは、テレビくらいしかなかったおかげで、よくもわるくも学校に行かないと「暇」でした。
なので、しばらく休んで全く何もしないと、



「暇だなあ。」
としか思えなくなってくるのです。
「暇だなあ。何かしたいなあ。」と思えてきたら、少しずつですが、心とからだが動き出せる元気が出ている証拠です。
もし、お子さんが暇そうにしていたり、自ら「~をしたい。」と言ってきたら、思いっきり好きなことをさせてあげてください。「~に行きたい。」と言ってきたら、可能なら連れて行ってあげてください。
学校を休んでいるのに、好きなことばかりさせたり、行きたいところに行かせたりしてもいいのだろうか、と悩む方もおられると思います。
ですが、学校に行っていないからと言って、やりたい事を制限する必要は全くありません。
なにより、「楽しい!」と思える時間を積み重ねることで、こころがどんどん元気になっていきます。
そして、親御さんは、こどもが「楽しい時間」を過ごしていることを喜び、やりたいことを見つけたお子さんを褒めてあげましょう!
③親子のコミュニケーションをどんどん取れるチャンス!


子供が不登校になるという事は、何もマイナスの事ばかりではありません。
子供は学校に行き始めると、学校にクラブ活動、家に居ても宿題と、本当に忙しくて、親子でコミュニケーションを取る時間が、全然取れなくなってきます。
ですが、不登校の期間は、時間が有り余っています。
なので、お子さんが不登校の今だからこそ、親子のコミュニケーションをどんどん取れるチャンスです!
ただし、学校や勉強の話題はやめましょう。
お子さんの好きなことや、たわいもない事を話しましょう。
お子さんが普段、友達と話していそうな事でいいのです。
僕は、親子が友達のような関係でいれることに大賛成です。
子供は親には相談しづらいことも、友達には相談できます。
それは、子供が「悩んでいる姿を見せたくない」のです。悩む姿を見せることによって、親を悲しませてしまうのではないか、と思うからです。
お子さんと友達のような新しい関係を築けると、きっとお子さんの方から、コミュニケーションを取ってくれるようになります。そして、今までなら話してくれなかった、心の内側の事も話してくれるはずです。
是非、お子さんと親友になってください。
④生活リズムを整え、簡単なお手伝いをしてもらい、自信をつける


家にいることが多くなる不登校の子供は、決まった習慣がないと生活リズムを崩しがちになります。
心とからだの健康のためには、生活リズムを整えることが大切です。
生活リズムを整えることを意識する時期の目安は、家にいるお子さんの笑顔が増えてきたと感じた時です。笑顔が増えてきたという事は、心とからだが少しずつ元気になってきたというサインです。
生活リズムを整えると言っても、
- 毎朝同じ時間に起きる
- ご飯を3食、しっかり食べる
- お天気の良い日は散歩する
といった、「出来ること」、でいいのです。
生活リズムが整ってきたら、家の中で子供ができる範囲の、きまった役割を与えましょう。
どんな簡単なお手伝いでもいいのです。
- 新聞や郵便物を取りに行ってもらう
- 食事前にテーブルを拭いてもらう
- 洗濯物をたたんでもらう
など、お手伝いは、その時々でお願いするのではなく、きまった役割だと、子供はイメージできるし、どんどん慣れてくるので、どれだけ簡単なことでも「自分は出来ている」という自信が得られます。
そして親御さんは、「ありがとう、助かったよ。」とちゃんと言葉で伝えて、お子さんの自信につながるようにしましょう。
「きちんと生活できている」、「誰かの役に立っている」と思うことが、子供の自信に繋がります。
不登校の子供は、学校に行っていない、という事で、自信を失いがちです。
どうかお子さんに、たくさんの自信を感じていただいてください。
⑤「興味あること」から学び、「学ぶ楽しさ」を知る


勉強の遅れは心配しない
まず、勉強の遅れは、心配しないでください。子供は、本気を出せば、数ヶ月や数年の勉強の遅れは、いくらでも取り戻せます。
なかなか取り戻せないのは、心の元気です。
学ぶことの楽しさを見せる
お子さんにとって、「最も身近なお手本は、親」なのです。
大人になると、なかなか勉強する機会がなくなります。
ですが、親がいろんな本を夢中になって読んだり、新しいことに楽しそうに挑戦したりする姿を、お子さんに見せましょう。
親が夢中になってに学ぶ姿を見て、お子さんが学ぶことの楽しさを知るきっかけになるかもしれません。



僕も去年から、息子とコミュニケーションを取る為に、そして、新しい事に挑戦する姿を見せる為に、苦手だったタブレットやパソコンを使って、動画編集をして息子の大好きなYouTubeにアップしたりしています。
子供のYouTubeの付き合い方に関しての記事もありますので、よろしければ参考にしていただければ、と思います。
「興味あること」を学ぶ


お子さんが何をしているときが一番楽しそうでしょうか?笑顔になっているでしょうか?
子供は、どんなことからも学びます。学校の勉強でなくても良いのです。
- ゲームが好きなら、プログラミングの学習アプリで学んでもいいかもしれません。
- YouTubeが好きなら、スマートフォンで撮影したり、動画編集アプリもあります。
- おやつが好きなら、家でおやつ作りに挑戦してもいいですね。
本当に、どんなことでも構わないのです。
お子さんが興味のあることに、どんどん挑戦させてあげてください。
子供が好きなことをしている時の吸収(成長)速度は、凄いのです。
そして「出来た!」や「わかった!」をたくさん積み重ねて、自信をつける事が出来ると、「学びの楽しさ」を感じることができます。
「学ぶ楽しさ」を知り、もし学校の勉強にも興味を持った場合、下記の記事を読んでいただければと思います。
我が家の息子に効果があったのは、自宅学習で使った、面白いドリルなのですが、それは本当にオススメです!
まとめ:不登校で家で過ごすと決めたなら子供も親も、「あせらず、ゆっくり」


お子さんの事を思うあまり、どのように家で過ごしたらいいかと焦ってしまう気持ち、よくわかります。
なので、もう一度、段階的なポイントをまとめますが、こちらを一つの目安として、少しでも、お子さんもあなたの気持ちも楽になればと思います。
長い長い人生で、数ヶ月、数年は、振り返ってみると、ほんのわずかな期間かもしれません。
だから、お子さんに不登校の期間があっても、心とからだをゆっくり休めて、親子の絆を深める時間がたくさん取れるチャンスだ、くらいに、ゆったりと構えてください。
そして、「あせらず、ゆっくり」、お子さんと楽しい時間を過ごしてください。それがきっと、一番の有意義な過ごし方だと思います。



お子さんとあなたの心が、少しでも軽くなりますように。